
完成したG-codeファイルから、造形時間とフィラメント使用量を知るには、G-codeアナライザーにアップロードします。1秒で、造形時間、フィラメント使用量(グラムとメートル)、層数、ファイルを作ったスライサー、そして、あなたの1kgあたりの価格でのプラスチック代がわかります。無料で、ログインなしでブラウザで動作し、ファイル(100MBまで)がアップロードされることもありません。
手元にあるのが.gcodeだけ、という状況のために作りました。お客様が送ってきた、SDカードやKlipperのマシンに入っている、でもスライサーのプロジェクトはどこにもない、という場面です。そんなときでも、造形にどれくらい時間がかかり、どれだけプラスチックを使うかを、推測する必要がありません。
G-codeファイルを解析するには?3ステップ
- アナライザーを開き、
.gcode、.gco、.gのファイルをドロップします(ボックスをクリックして選ぶこともできます)。 - 4つの大きな数字を読みます。造形時間、フィラメントのグラム、フィラメントのメートル、層数です。ファイルを作ったスライサーは、その下に表示されます。
- 「プラスチック代」ブロックに、スプールの1kgあたりの価格を入力します。欄にはあらかじめ1990が入っているので、ご自身の価格に置き換えてください。結果は、グラム×1kgあたりの価格÷1000で、100未満の金額は小数第2位まで(たとえば8.57)、それ以上は整数で表示されます。通貨は付かないので、入力した通貨で結果が出ます。
小さな造形では、端数も残ります。1kgあたり20で85gなら1.70、1kgあたり20で600gなら12.00と表示されます。ファイルからグラムまたはメートルが見つかれば、いつでも費用のブロックが表示されます。
アナライザーは、数値をどこから得ている?
まず、スライサーがコメントに書き込んだメタデータを探します。このデータの精度は、スライサー自身の見積もりと同じです。メタデータがなければ、アナライザーが移動コマンドから自分で計算します。「移動から推定」というバッジが、どちらなのかを教えてくれます。
| スライサー | コメントから読み取るもの |
|---|---|
| Cura | TIME:、Filament used:(メートル)、LAYER_COUNT: |
| PrusaSlicer、SuperSlicer | estimated printing time、filament used [g]、filament used [mm] |
| OrcaSlicer、Bambu Studio | 同じものに加えて、total estimated time、total filament weight [g]、total filament length [mm]、total layer number |
| Simplify3D | Build time:、Filament length:、Plastic weight: |
| その他 | メタデータなし:G0/G1の移動とE軸の押し出しから計算し、見積もりと表示 |
スライサーがフィラメントの長さしか書いていなければ、グラムはPLA(密度1.24g/cm³、1.75mmのフィラメント)として計算されます。グラムしかなければ、メートルは、同じ値を使った逆の換算から求められます。
フィラメント1メートルは何グラム?
おおまかな確認と、長さから重さへの換算をどこまで信頼できるかを知るのに便利です。1.75mmのフィラメントの場合:
| 素材 | 典型的な密度(g/cm³) | 1mの質量(g) |
|---|---|---|
| PLA | 1.24 | 約3.0 |
| PETG | 1.27 | 約3.1 |
| ABS | 1.04 | 約2.5 |
| TPU | 1.21 | 約2.9 |
密度はブランドによって少し異なるので、概算として扱ってください。ポイントは、PLAとPETGなら換算の誤差は小さいのに対し、ABSで「長さのみ」のモードだと、アナライザーは重量をおよそ15〜20%多く見積もる、ということです。スライサーがグラムを書いていれば、換算はまったく行われません。
結果は何に使える?
| 数値 | 使い道 |
|---|---|
| 造形時間 | プリンターの消費電力を掛けて、電気代を見積もる。3Dプリンターはどれくらいの電気を使うのかを参照 |
| グラム | 1グラムあたりの価格を掛けて、材料費を出す。スプールの残りと比べるには、フィラメント残量計算ツール |
| 層数 | 積層ピッチの確認に使う。高さ60mmのモデルを0.2mmの積層で造形すれば300層 |
| スライサー | 想定したプロファイルとプリンターでスライスされたファイルかを確認する |
総コスト(電気代、プリンターの減価償却、人件費、サポート、後処理、利益)については、3Dプリントの費用の計算方法を読んで、計算機を使ってください。アナライザーがカバーするのは、プラスチックだけです。
例:アナライザーの数値から価格へ
アナライザーが2時間40分と85gを示したとします。スプールは1kgあたり3,000円、プリンターは平均で約120W、電気代は1kWhあたり31円です(いずれも例の数字です。ご自身の値に置き換えてください)。
| 項目 | 計算 | 合計 |
|---|---|---|
| プラスチック | 85g × 3,000円 ÷ 1000 | 約255円 |
| 電気代 | 2.67時間 × 0.12kW × 31円 | 約10円 |
このような造形では、電気代はほとんど目立たず、プラスチック、プリンターの消耗、そしてあなた自身の時間のほうが大きな要素です。だからこそ、アナライザーは最終的なコストではなく、最初のステップです。その結果を、減価償却、人件費、利益とあわせて、計算機に持ち込んでください。
制限と落とし穴は?
- 移動からの推定は大まかです: 時間は、距離÷送り速度に加速分の10%を足して計算され、最初のFコマンドまでは1500mm/minと仮定されます。押し出しとして数えられるのは、X/Yに移動する動きでの正のE送りだけです。リトラクション、その後の戻し、押し出しだけの動きは無視され、M82/M83モードと
G92 E0のリセットは考慮され、G10/G11のファームウェアリトラクトはスキップされます。それでも簡略化したモデルです(たとえば、プライムラインは除かれます)。これらの数値は、正確な値ではなく、桁の目安として扱ってください。 - 複数のフィラメント: マルチカラーのファイルでは、使用量がフィラメントごとに1つの値のリストとして書かれます(たとえば
filament used [g] = 3.7, 0.6、あるいはエクストルーダー2つのCuraではFilament used: 1.2m, 0.5m)。アナライザーは、すべての値を足し合わせて合計を表示し、フィラメントごとの内訳はありません。グラムは素材ごとに補正されないので、合計をスライサーのまとめと比べてください。 - スライサーの時間と、実際の時間: ベッドの加熱、造形前のキャリブレーション、一時停止、プリンター実際の加速度は、時間を増やすことがあります。アナライザーが示すのは、スライサーが計算した値です。
- G-codeではない: 別の種類のファイルをアップロードすると、「ファイルを解析できませんでした。本当にG-codeですか?」と表示されます。
- プロジェクトファイル: 受け付けるのは、
.gcode、.gco、.gだけです。Bambu Studioでスライス済みの.3mfは、先に、通常のG-codeとして書き出してください。 - ツールパスや色ごとの内訳はありません: これはツールパスビューアーではありません。層ごとのプレビューには、スライサーを使ってください。
ほかのものを使うべき場面は?
- スライサー自体(PrusaSlicer、OrcaSlicer、Bambu Studio、Cura)は、スライス直後に、同じ数値と、さらにレイヤープレビューを表示します。プロジェクトが開いているなら、そこで確認してください。
- Klipperのインターフェース(Mainsail、Fluidd)とOctoPrintは、プリンター上でファイルのメタデータを表示します。Spoolmanはスプールの管理に役立ちます。
- このアナライザーは、手元にあるのがファイルだけのときに便利です。スライサーも、インストールするものもなく、すぐにお金に換算できます。「プラスチック代はいくら?」という一度きりの疑問には、これで十分です。
次のステップは?
時間とグラムを、お客様への価格にするには、計算機か、電気代計算ツールを開いてください。まだスライスしていないモデルなら、オーバーハングチェッカーが、モデルのどれだけがサポートを必要とするか、したがって、そこにどれだけのプラスチックが使われるかを、あらかじめ示してくれます。
よくある質問
- G-codeファイルから、造形時間とフィラメント使用量を調べるには?
- .gcodeをアナライザーにアップロードします。スライサーのコメントから数値を読み取り、造形時間、フィラメント使用量(グラムとメートル)、層数を表示します。スライサーがメタデータを残していない場合は、移動コマンドそのものから計算し、見積もりと表示されます。
- G-codeアナライザーが認識するスライサーは?
- Cura、PrusaSlicer、SuperSlicer、OrcaSlicer、Bambu Studio、Simplify3Dです。ファイル内のコメントから直接データを読み取ります。ほかのスライサーのファイルは、G0/G1の移動と、E軸の押し出し量から解析されます。
- G-codeファイルのどこにフィラメント使用量(gcode filament used)が書かれている?
- 通常は、ファイルの先頭か末尾のコメントです。PrusaSlicerとOrcaSlicerは「filament used [g]」や「filament used [mm]」のような行を書き、Curaはメートル単位で「Filament used」の行を書きます。アナライザーがそれを見つけて、グラムとメートルに換算します。
- フィラメント重量の精度は?
- スライサーがグラムを書いていれば、その値が使われ、選んだ素材が反映されます。長さしかない場合は、PLAの1.24g/cm³、1.75mmのフィラメントとして重量を計算するので、ほかの素材では概算になります。
- G-codeファイルから、造形の費用を知ることはできる?
- アナライザーが計算するのは、プラスチック代です。グラム数に、入力した1kgあたりの価格(初期値は1990)を掛けます。電気代、機械の消耗、人件費は含まれないので、総コストには計算機を使ってください。
- G-codeにファイルサイズの上限はある?
- あります。100MBで、拡張子は.gcode、.gco、.gです。
- G-codeはサーバーにアップロードされる?
- されません。ファイルはブラウザ内で解析され、アップロードされません。ログインも不要です。