ABS-CF(炭素繊維入りABS):密度・印刷温度・選ぶべき場面
密度: 1.12 g/cm³ノズル温度: 240–265°Cベッド温度: 95–110°C
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ABS-CFは、刻み炭素繊維で強化したABSです。ガラス繊維入りABS(ABS-GF)と比べて、より高い剛性と優れた強度対重量比、特徴的なマットな黒い表面を持ち、純粋なABSよりも収縮・反りがかなり少なくなります。その代償として、ノズルへの摩耗が大きく、脆さも増します。
主な特性
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 密度 | ≈1.12 g/cm³ |
| ノズル温度 | 240–265°C |
| ベッド温度 | 95–110°C |
| パーツ冷却 | 最小限 |
| 収縮 | ABS系の中では低い |
| エンクロージャーの要否 | 必要 |
使うべき場面
- 比強度(重量あたりの強度)が重要な、軽量で剛性の高い筐体やブラケット。
- 大きな平面パーツで反りを最小限に抑えたい治具・冶具。
- フルメタルの剛性までは不要な軽量構造で、アルミ部品の代替として。
- 塗装なしでカーボン調の質感をそのまま活かしたい機能試作。
他の材料を検討すべき場面
- 耐衝撃性が重要な場合 — 強化により脆くなるため、衝撃荷重には通常のABSやASAの方が適している。
- 真鍮ノズルしか手元にない場合 — 炭素繊維はノズルをすぐに摩耗させるため、摩耗の少ない代替としてABS-GFを検討する。
- 同程度の剛性でより高い耐熱性が必要な場合 — PC-CFの方が明らかに耐熱性が高い。
メリットとデメリット
メリット: 高い剛性と優れた強度対重量比、純粋なABSに対して反り・収縮が最小限、追加の後加工なしで美しいマット仕上げが得られる。
デメリット: ノズルへの摩耗が非常に大きく、常用するなら焼き入れノズルまたは炭化物ノズルが必須。無充填ABSより破断しやすい。ABSベースの強い臭いが印刷中に残るため換気が必要。色の選択肢が限られる(通常は黒のみ)。
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原価への影響
ABS-CFの原価を左右する最大の要因はノズルの摩耗だ。真鍮ノズルは通常のABSよりも明らかに早くすり減り、この材料を継続的に使うなら消耗品として原価に組み込む必要がある — そうしないと押し出し精度が徐々に低下し、不良率が上がる。一方で、純粋なABSに対して収縮と反りが抑えられているため、大型パーツでの失敗率は下がり、フィラメント単価の高さや機材の摩耗を部分的に相殺してくれる。