PA6(ナイロン6):密度・印刷温度・選ぶべき場面
密度: 1.14 g/cm³ノズル温度: 240–260°Cベッド温度: 80–100°C
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PA6(ナイロン6)は、FDM向けに広く使われるエンジニアリングプラスチックの中でも最も強い部類に入ります — 高い耐衝撃性、優れた疲労強度と耐摩耗性を持ちます。その代償は強い吸湿性で、密閉保管なしのPA6スプールは数時間で水分を吸収してしまいます。
主な特性
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 密度 | ≈1.14 g/cm³ |
| ノズル温度 | 240–260°C |
| ベッド温度 | 80–100°C |
| パーツ冷却 | 最小限、またはオフ |
| 収縮 | 強く、反りやすい |
| エンクロージャーの要否 | 必要 |
使うべき場面
- ギア、ブッシュ、ガイドなど、高い繰り返し荷重を受ける可動部。
- 衝撃・曲げを受ける部品で、ABSやPETGでは疲労割れが起きる場合。
- 射出成形ナイロンに置き換わる予定の機能試作 — 印刷したPA6の特性は他の多くのプラスチックより射出成形ナイロンに近い。
- 乾燥した使用環境で高い機械荷重を受ける留め具やブラケット。
他の材料を検討すべき場面
- 湿った環境で使用する、または保管時の寸法安定性が必要な部品の場合 — PA12の方が吸湿量が明らかに少ない。
- 荷重下での最大の剛性と最小の変形が必要な場合 — 強化されたPA6-GF(ガラス繊維入り)の方が形状を良く保つ。
- 乾燥機もエンクロージャーもないプリンターの場合 — PA6は最も条件を選ぶ材料の一つであり、初心者はまずPETGやABSから始めた方がよい。
メリットとデメリット
メリット: 高い耐衝撃性と疲労強度、摺動面の良好な耐摩耗性、他のナイロンに比べ手頃な価格。
デメリット: 吸湿性が非常に高く、ほとんどのフィラメントより速く水分を吸収するため、ほぼ毎回の印刷前に乾燥が必要、エンクロージャーなしでは収縮が強く角の剥離が起きやすい、専用コーティングや接着剤なしでは標準的なベッドへの定着が悪い。
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原価への影響
PA6は棚から出してそのまま印刷するわけにはいかない — 事前の乾燥(通常70〜80°Cで数時間)なしでは表面が気泡だらけになり強度も落ちる。実務上これはプリンター内蔵の乾燥機か独立した乾燥庫のどちらかが必要になることを意味し、いずれも時間と電力を1サイクルの原価に加算する。高いベッド温度とエンクロージャーの要件もPLAやPETGに比べエネルギー消費を押し上げ、オープンベッドでの頻繁な剥離や反りは不良率を高め、これも原価に組み込む必要がある。