PEKK:密度・印刷温度・選び方
密度: 1.28 g/cm³ノズル温度: 360–390°Cベッド温度: 120–150°C
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PEKK(ポリエーテルケトンケトン)は、PEEKと同じケトン系ポリマーファミリーに属する材料で、融点がやや低く、そのぶん印刷ウィンドウが少し広く、層間の定着も良好になる。特性はPEEKに近く、高い耐熱性・強度・化学的不活性を備えるが、その一方でPEEKと同様に加熱チャンバーを備えた産業用プリンターが必須となる。
主な特性
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 密度 | ≈1.28 g/cm³ |
| ノズル温度 | 360–390°C |
| ベッド温度 | 120–150°C |
| パーツ冷却 | オフ |
| 収縮 | チャンバー温度を管理しないと大きい |
| エンクロージャーの要否 | 必要(加熱エア付き) |
こんな用途に向いている
- 航空宇宙・医療分野の部品で、PEEK級の耐熱性が必要だが層間強度をより重視する場合。
- 高温・高振動環境で金属製締結部品を置き換える用途。
- PEKKと比べて大型パーツを印刷する際の低収縮性が重要な部品。
- 強い薬品や溶剤に接触する部品。
他の材料を検討すべき場合
- 印刷のしやすさより最大限の耐熱性が必要な場合 — PEEKの方が使用上限温度が高い。
- 380°C以上に対応するホットチャンバー付きプリンターがない場合 — PEKKもPEEKと同様に家庭用機材では扱えないため、もう少し扱いやすいPEI(Ultem)やPPSUを検討する。
- 極端な耐薬品性が求められない場合 — 一般的な工業用途ならPCやPA6-GFでわずかなコストで十分。
メリットとデメリット
メリット: PEEKに匹敵する耐熱性と化学的不活性、より優れた層間接着性、やや広い印刷ウィンドウ、良好な疲労強度。
デメリット: 依然として360°C超のノズルと加熱チャンバーを備えた産業用プリンターが必須。フィラメント価格が非常に高い。温度管理が甘いと印刷速度が遅くそり(反り)のリスクも高い。PEEKほど普及していないため、信頼できるフィラメント供給元を見つけにくい。
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原価への影響
PEKKもPEEKと同様、産業用機材でチャンバーの長い予熱時間が必要になり、その準備にかかる時間とエネルギーは小型パーツの印刷時間そのものに匹敵することも多い。フィラメント価格は市場でも最高水準のままだが、やや広い印刷ウィンドウのおかげでPEEKに比べれば不良率はやや下がる(ただし完全にはなくならない)。原価計算では材料費だけでなく、チャンバー付き専用プリンターの減価償却も必ず織り込む必要がある — この項目は一般的なデスクトップ機材では原理的に発生し得ない。