High Temp PLA:密度・印刷温度・選び方
密度: 1.25 g/cm³ノズル温度: 210–230°Cベッド温度: 60–70°C
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High Temp PLAは結晶化しやすい配合のPLAで、アニーリング(印刷済みパーツをオーブンやフィラメント乾燥機で100〜120°Cまで15〜30分加熱する処理)を施すことで、軟化温度(HDT)をPLAの通常水準である約55°CからABSやPCに匹敵する110〜160°Cまで引き上げられる。アニーリングを行わない場合、材料はほぼ通常のPLAと同様に振る舞い、耐熱性は得られない。
主な特性
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 密度 | ≈1.25 g/cm³(通常のPLAに近い) |
| ノズル温度 | 210–230°C |
| ベッド温度 | 60–70°C(PLAとしては高めで、印刷中の結晶化を助ける) |
| パーツ冷却 | 50–80% |
| 収縮 | アニーリング時に顕著 — 部品が2〜5%収縮しわずかに変形する可能性があり、事前に公差へ織り込む必要がある |
| エンクロージャーの要否 | 印刷自体には不要だが、アニーリング用のオーブン/乾燥機が別途必要 |
こんな用途に向いている
- ABSやASAへの切り替えなしに高温環境(エンジンルーム周り、発熱部品の近くの機器)に置かれる部品。
- 最終的な耐熱材料に近い条件でテストしたいプロトタイプ。
- 印刷のしやすさ(無臭、換気不要)というPLAの利点を保ちながら、PCに近い耐熱性を得たい場合。
他の材料を検討すべき場合
- アニーリングを行える環境(精密な温度管理が可能なオーブン)がない場合 — その場合は耐熱性が発揮されないため、通常のPLAか最初からASAを印刷する方が合理的。
- 後加工なしの寸法安定性が重要な場合 — アニーリング時の収縮は公差計算を必要とするため、PETG-HTやPCの方が扱いやすい。
- 耐熱性と高い耐衝撃性を同時に求める場合 — PC-ABSやPCを検討する。
メリットとデメリット
メリット: 通常のPLAの印刷しやすさを保ちながらABS/PC並みの耐熱性を得られる。換気設備やABS向けエンクロージャー付きプリンターが不要。
デメリット: 耐熱性を引き出すにはオーブンでのアニーリングが必須 — これは独立した製造工程となる。アニーリング時に部品が大きく収縮し変形する場合がある。後加工なしでは耐熱性は通常のPLAと変わらない。
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原価への影響
原価における主な追加要因はフィラメント自体(価格は通常のPLAに近い)ではなく、アニーリング工程にある — オーブンの稼働時間、エネルギーコスト、収縮による変形で不良率が上がる点だ。アニーリングは印刷の一部としてではなく、独自の所要時間と不良率を持つ別の工程として見積もりに織り込むこと。